人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ネットワーク経済学

『亜玖夢博士の経済入門』(橘玲著)
を最近読んでます。


小説なんだけど、
一話一理論を学べる
面白い本。


さらに主人公の
亜玖夢博士のブラックユーモアで
ドキドキしちゃう内容となっております!!



本文の引用より。



「われわれの世界を構築するネットワークは、
自然発生的に生まれた複数の中心を持つ
ランダムな網の目だと考えられている。

この中心をハブと呼び、
航空会社の航路図にその典型を見ることができる。

東京やニューヨーク、ロンドン、フランクフルトなど、
飛行機は主要なハブ空港を経由して
世界じゅうの都市を結び付けている。

そしてこの十数年、科学者達は
同じハブ型ネットワークを
脳の神経組織や
インターネット、
地球の生態系や
生物の遺伝子、
そして
われわれの人間関係のなかに発見してきた。

すなわちネットワークの構造こそが、
ミクロの世界から大宇宙まで、
自然と社会の神秘を解き明かす鍵となるのだよ。

どうだ、すごいことだと思わんか」(pp.107-108)



出ました!!

ハブ!!


このブログで度々登場する攻殻でも出てくるヤツ!!
やっとハブってのが分かったー




そして、
亜玖夢博士は言う。



「世の中の仕組みを理解するうえでいちばん大切なことは、
ひとは一人では生きていけないということだ」(pp106)


と。




なぜならネットワークでつながっているから。

だから、人間関係にもハブが存在する。




さらにこの理論を「いじめ問題」へと応用する。



「やっかいなことに、
ハブ型のネットワークは非常に強い耐性をもっている。

たとえばテロリストがインターネットを攻撃したとしても、
全世界の八割以上の通信施設を破壊しなければ
ネットワークを寸断することはできない。

インターネットに複数のハブがあり、
たとえ一本の回線でも生き残っていれば、
ハブを介して世界中と交信できるからだ。

すなわち僕(いじめられている子)がハブであるかぎり、
いじめっ子のリーダーを説教して反省させたとしても
状況はなにひとつ変わらない。
他の子供達によって、
いじめはこれまでどおり続くじゃろう」(p.114)



これは真理だろう。人はネットワークでつながっている。

もちろんポジティブな意味でのハブも存在するが

この「僕」のようなネガティブなハブも存在する。




このネットワークを崩すことはできるのか。



「フィードバックを
止めるもっとも有効な手段は、
ハブを破壊することだ。

ようするに、僕がいなくなればいじめはなくなる。」(pp.115)


フィードバックとは増幅効果のことである。

「ネットワーク理論では、ハブが加速度的に
リンクを獲得していくこの過程を
フィードバックすなわち増幅効果という」(pp.112)


そうやってネットワークはより強固になっていく。

いじめは激化していく。



そして、ハブを破壊することで
「いじめ」というネットワークは崩壊する。

つまり「僕」は転校すればよい。



またこういう方法もある。


「ネットワークは、
外部からの衝撃によってその姿を変えることがある」(pp.128)


この外部からの衝撃に関しては本書を読んでほしい。

実際には不可能な衝撃を与えるところが
本書の異質さを物語ってる。
読んだらビックリだよ・・・




そして博士は生物の進化へも応用する。


「フィードバック効果が
特定のハブの地位を強化するだけならば、

いちどネットワークが成立するとその構造が固定化され、
永久に変わらないことになってしまう。

だがこれでは、
生物は環境の変化に対応できずに死に絶えてしまうだろう。

そこで自然は、
遺伝子のネットワークに外部から衝撃を与え、
突然変異を生み出すという知恵を生物に授けた。

ネットワークの構築と破壊、
そして再生という自然の知恵によって生物は進化し、
われわれはいまここにこうして生きているのだよ。

わかるかね、この素晴らしさが」(pp.128)





素晴らしい。


ネットワーク理論からみる
「いじめ」
「生物の進化」

本書の中では
「コアラのマーチ」
「モテる人」


このように応用できる理論は
自分にとっても大きな影響を与えてくれた。



最近は『はこ』理論にハマってたけど、
それにネットワーク理論を付加すれば
もっと面白そう!!



皆さんもぜひ
自分の理論の中に応用してみてくださいー!!
by shinya_express | 2008-02-06 02:54 | economics